欧州リスクアセスメント委員会(RAC)の結論, 現在入手可能なデータからは4つのフタル酸エステル (DEHP, DBP, BBP, DIBP) の複合曝露によるリスクがあることを示していないし、既存の規制方策と使用量の減少から曝露量はさらに減少することが予想されるので、これらの物質を新たにREACHの制限リストに加えるというのは正当化されない(=正当な理由がない)との結論に社会経済分析委員会(SEAC)もまたその線で合意していた。 これについて、パブリックコメントが開始したことをECHAが公表した。
パブコメの期限は2012年9月までである。
デンマークの制限提案
制限リストへの組み込みの提案はデンマーク当局から提出されていた。
その制限の案は、次の物品の市場への投入する(place on the market 上市する)ことを禁じるものであった:
– そのプラスチック材料中にこれらを一つでも0.1%重量以上含み、かつ
– 屋内での使用を意図する物品、または、皮膚や粘膜に直接接触する可能性のある物品(article)。
ただし、一部の適用例外–たとえば、電線被膜など–は考慮していた。
デンマーク当局の制限提案のためのAnnex XVII レポートも公開されている。
これらの物質はSVHC, 認可対象物質である。
これらの物質はすでにSVHC、認可対象物質として指定され規制を受けている。
なお、これらの物質の情報はECHAのサイトからi5z形式でダウンロードできる。i5z形式のデータはIUCLID5に取り込む(import)して利用可能なXML形式のファイルである。
【解説】
☆パブリックコメントの結果によって、このデンマークの制限への組み込みの提案の否定の結論が、ひっくり返ることもありえる。 環境NGOの一部は当然この結論に反対のコメントを入れるであろう。
☆関係業界、特に、これらの物質の日本から輸出している企業はORを通じて認可申請をする場合には、今回のレポートやデンマークの提案を、認可申請書を作成するときに当然考慮することになるであろう。