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ChemSaferブログへようこそ

2011年12月31日

このブログは、化学品の安全を守るために必要な情報、特に、欧州のREACH/CLPの情報を提供することを目的としています。

免責: このChemSaferブログサイトでは、細心の注意のもと、可能な限り的確な情報をタイミングよく提供することを心がけていますが、必ずしも常に最新かつ完全に正確な情報であるとは限りません。読者が記事に基づいて実施される行動については、すべて自己責任のもと行ってください。また、各記事は、予告なしに修正・削除する場合があります。すべての問題やトラブルについて、このブログの著者は、責任を負いかねますので、予めご了承くださいますよう宜しくお願い申し上げます。

2016/06/21 ECHA 新版Chesar 3.0 リリース

2016年6月22日

 

欧州化学物質庁 ECHA 2016/06/21付で、REACH対応の公式リスクアセスメントとその報告書作成ツールChesarの新版3.0をリリースした。

下記URLから無償でダウンロードして使用できる。ただし完全に使うにはあわせて無償のIUCLID 6.0の導入が必要。

https://chesar.echa.europa.eu/web/chesar/view-article/-/journal_content/56_INSTANCE_M6zz/title/chesar-3-available-for-download

Chesar 3.0  6月21日リリース

2016年5月22日

2016-5-19 ECHA 欧州化学品庁、当初の予定より約2ヶ月遅れではあるが、6/21に、欧州の公式化学物質安全アセスメントと報告書作成ツールの新版 Chesar 3.0をリリースすると発表。
http://echa.europa.eu/view-article/-/journal_content/title/new-version-of-chesar-available-in-june

あわせて同リリース日に開かれる無償のwebinarの申し込み受付を開始した。

Chesar 3.0 ベータ

2016年3月16日

欧州公式の化学物質アセスメントツール Chesar のニューバージョン 3.0 ベータバージョンがリリース。正式版は4月末。

https://chesar.echa.europa.eu/web/chesar/chesar-tool-archives

バイオサイド製品と処理品

2015年6月19日
tags: ,

Biocidal products バイオサイド製品とTreated articles 処理品は違った概念です。EUで求められる要件が違います。ただし、処理品がバイオサイド製品になる場合もあります。

以下ここでは、法令等を訳すとき、わかりやすさを第1にしており、より厳密な把握のためには原文に当たられることをお勧めします.

処理品とは

欧州のバイオサイド製品規則(BPR, Regulation (EU) No 528/2012)では次のような定義がなされています.

「処理品」とは、一つ以上のバイオサイド製品で処理した、または、それを意図的に組みこんだ物質、混合物、あるいは、物品である(BPR 3条 1. l ).

treated articleと、短い名前を与えていますが、その意味は、上記の意味であり、バイオサイド製品で処理―処理及び意図的組込み―をした物品―物質、混合物、物品―を、処理品としています.

バイオサイド製品とは

規則3条1.(a)では定義が二つのインデント段落に分けて記載されています:

一つ目は、

  • 使用者が使うときの形態が物質又は混合物であり、かつ、
  • 下記の意図を目的とした、一つ以上の活性物質で構成されるもの、又は、それを含有するもの、それを発生するものであり、かつ、
  • 意図として、有害生物の破壊、弱体化、無害化、作用の予防、又は、その他の方法で有害生物の影響を抑えるものである.ただし、その方法には、単なる物理作用若しくは機械作用よる方法を含まない.

今一つは、

  • それ自身は前項に合致しない物質又は混合物であるが、
  • 上記の意図で使用することを目的としている物質又は混合物.

そして、

 殺生物性主な機能として持つ処理品はバイオサイド製品と考えるものとする.

としています.

処理品がバイオサイド製品として扱われるケース

最後の一文が、処理品とバイオサイド製品の関係の理解に重要です.

最後の一文が意味しているのは、バイオサイド製品(biocidal product)で処理―処理および組み込み―した物品を、BPR上処理品(treated article)と呼ぶ、その処理品自身の主な機能が殺生物機能(殺生物主機能 primary biocidal function)であるとき、その処理品はBPR上バイオサイド製品として扱われるということです.

では、殺生物主機能 Primary biocidal functionとは何か、そして、殺生物性(biocidal property)とは何か、これについてはまたこのサイトで近いうちに投稿します.

訳語について

このブログ投稿では、次の英単語の訳語として次のものを採用して、REACH/CLP/BPRでの訳語の一貫性をもたせて、わかりやすさを狙っています.

英単語 採用訳語 よくみられるその他の訳語
article 物品 アーティクル, 成形品
treated article 処理(物)品 処理成形品, 処理製品(成形品), 処理された成形品
product 製品
biocidal product バイオサイド製品 殺生物性製品、殺生物製品
biocidal function 殺生物機能 殺生物性機能
primary biocidal function 殺生物主機能
substance 物質
active substance 活性物質
mixture 混合物

例えば、REACHでもCLPでもBPRでもarticleという言葉が同じ概念で使われています.ただし、だからと言って、同じものを指すわけではありません.したがって、欧州が出す各種資料でも、必要に応じて、”not only articles within the meaning of the REACH Regulation”「REACH規則の意味における物品だけでなく」などと説明しています(ECHA 2013).
原文に忠実に、しかも、簡潔に、余分なことを記載せず訳すには、articleを物品と訳すのが良いと考えました.BPRにおけるarticleの意味は物品の日本語の本来の意味とそれほど違わず、REACH/CLPがかなり限定的に使われていると考えられます.BPRのarticleを「成形品」と訳してしまうのはかなり苦しいと考えます.

「バイオサイド製品」とproductの訳語として「製品」を使いましたが、わかりきったことかもしれませんが、productの意味を英英辞書で確認しますと、

a thing produced by labor

material created or produced and viewed in terms of potential sales

(Randam House Kernerman Webster’s College Dictionary Application ver1.0.8)

労働によって製造された物.創作され、製造されたもので、販売される可能性があるとみられるもの (小生の訳).

というわけです.さらに言わずもがなですが、日本語の「製品」の意味は、

原料に手を加えて作った品物 (三省堂 大辞林)

この最後の「品物」というのは今の文脈では少々気に入りませんが、まあいいでしょう.

要するに、バイオサイド製品とは、殺生物機能をもつように製造された物とざっくりとは理解できます.正確な理解はもちろん規則原文をよらなければなりません.

一方、article 物品は、

an individual object, member, or portion of a class; item; an article of clothing

an item for sale; commodity.

(同上)

ある種類の個別の物、その種類に属する物、その種類の属する一部の物; 衣料品、衣類

販売のための物、販売品;日用品

そして、日本語の「物品」は

品物。特に,不動産以外の有体物。 (三省堂)

「製品」(product)は、「産物」「製造物」;「物品」(article)は「商品」「品物」.前者は工業生産上の観点からの言葉であり、後者は商業取引上の観点からといってもいいと思います.

参考文献

BPR Regulation:  REGULATION (EU) No 528/2012 OF THE EUROPEAN PARLIAMENT AND OF THE COUNCIL of 22 May 2012 concerning the making available on the market and use of biocidal products  http://echa.europa.eu/regulations/biocidal-products-regulation/legislation

ECHA 2013:  Control of treated articles in the Biocidal Products
Regulation http://echa.europa.eu/documents/10162/11106628/11_bshd_bernsel_treated_articles_en.pdf

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バイオサイド処理品

Chesar 2 翻訳用語集 物品 article

バイオサイド処理品

2015年6月14日

この文書は、ECHAの次のページの参考訳です.後半に若干の補足をしています.

ECHA > Regulations > Biocidal Products Regulation > Treated articles

ここの訳文では、treated article は、(バイオサイド製品で)処理した物品 =(バイオサイド製品) 処理品 と訳しています.

処理品 (Treated articles)

バイオサイド製品規則(Biocidal Products Regulation, BPR)には、一つ以上のバイオサイド製品で処理された物品、又は、意図的に組み込まれた物品の使用取扱いに対しての決まりがあります.

バイオサイド製品規則に従って、物品はEUで承認された活性物質を含むバイオサイド製品でのみ処理することができます.これは、旧バイオサイド製品指令(2013年9月1日からBPRにより失効)からの変更点です.旧指令では第三国からの輸入品はEUで承認されていない物質での処理が可能でした.例えば、ヒ素で処理した木材やDMFを含むソファーや靴.

企業は、販売する物品のバイオサイド処理について情報を、消費者にすぐに提供できるようにしておかなければなりません.消費者が処理物品について情報を求めてきた場合、その物品の供給者は45日以内に無償でその情報を提供しなければなりません.

処理品の表示ラベル (Labelling of treated articles)

処理品の製造者または輸入者は製品ラベルについて、分類、表示、及び、包装に関する規則(CLP規則)と、バイオサイド製品規則によって定義される追加的な要件に正しく従っている必要があります.

処理品の製造及び輸入者が、処理品を、バイオサイド製品規則(BPR)に従って、表示ラベルする必要があるのは次のような場合です:

  1. 処理品が殺生物特性(訳注:殺菌性や防カビ性, 防虫性)を持っていると宣伝文句を使うとき、
  2. 物品の処理に使用したバイオサイド製品中に含まれる活性成分の承認条件として、表示ラベルが求められている場合.

その表示ラベルは消費者に分かりやすく見やすく表示する必要があります.

処理品に対する経過措置

バイオサイド製品規則(BPR)には、旧バイオサイド製品指令からBPRへの移行をしやすくするための措置がたくさん用意されています.

2013年9月1日から、物品処理に使用するバイオサイド製品中の活性物質は、それが関連する製品タイプについて、すでに承認されているか、また評価中でなければなりません.

まだ承認プロセス中でない活性物質に対しては、2016年9月1日までの経過期間があります.処理品がすでに2013年9月1日の時点で既にEU市場にある場合には、継続して市場での販売を続けるために、企業は2013年9月1日までに、活性物質に関する全申請書類を提出する必要があります.活性物質書類は、関連製品タイプについてのデータが含まれていなければなりません.

もし活性物質が関連製品タイプについて承認されなかった場合は、この活性物質を含むバイオサイド製品で処理した、あるいは、組み込んだ物品は、その活性物質非承認の決定後180日目からはもはや販売できなくなります.

補足

バイオサイド製品規則(BPR)の規定するbiocidal treated article(バイオサイド処理品) の article(物品)であっても、REACH規則のarticle(物品)でないものがあります.バイオサイド処理規則にいうバイオサイドで処理した物品(処理品)には、物質(substance), 混合物(mixture), 物品(article)があると規則自身が言っています(BPR 第2条 1 (l) ).

物品(article)の基本的な意味がREACH/CLP/BPRで異なるわけではありません.

articleの一般的な意味は、

an individual object, member, or portion of a class; item: an article of clothing (Random House Kernerman Webster’s College Dictionary, Android版 ver1.0.8)

つまり、同種の物、構成要素、部分の一つであり、品物、品、物品、商品などを意味します.例えば、an article of clothingで一点の衣料品です.

あるいは、

an item for sale; commodity. (同上)

つまり、販売品、商品、物品です.

バイオサイド製品規則の”article”の意味は、この一般的な意味といってよいでしょう.先ほど言いましたように、バイオサイド処理規則にいうバイオサイドで処理した物品(処理品)には、物質(substance), 混合物(mixture), 物品(article)があると規則自身が言っています.

EU化学品の規制規則 REACHやCLPでは物品を物質や混合物から区別する必要がありました.そのために、物品の意味は、より限定(define)されています.

大筋簡単に言えば、REACHでは、登録すべきなのは物質であって、物品ではないとする必要がありますし.REACH SDS作成やCLP表示ラベルが必要なのは、物質や混合物であって、物品でないとする必要があります.ただし、REACHでは物品に関する規制も持っています.たとえば、化学品安全評価書における、物品使用取扱(service life)での消費者や労働者の物質暴露評価が求められています.

バイオサイド製品 biocidal products (製品)とバイオサイド処理品 treated articles は概念が異なり、法的要件も違います。これを区別する必要があります。しかし、処理品が製品になる場合もあります。これについては、別途このサイトで近いうちに投稿したいと思います。

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【Chesar 2 翻訳用語集】 物品 article

翻訳用語集 混合物 Mixture 

2015年5月14日

mixtureは一般的な辞書では次のように定義されている:

(technical) a combination of two or more substances that mix together without any chemical reaction taking place
(Oxford Advanced Learner’s Dictionary)

これはREACH/CLPにおける次の定義とさしてかわりない:

‘mixture’ means  a mixture or solution  composed  of two or more substances;
(CLP規則 第2条8)

しかし、substanceが純物質でなく、

‘substance’  means  a  chemical  element  and  its  compounds  in  the natural state or  obtained  by  any  manufacturing  process,  including any additive  necessary  to  preserve  its  stability  and any impurity deriving from  the process  used,  but excluding  any solvent which may  be separated  without  affecting  the stability  of the substance  or changing its  composition
(CLP規則 第2条7)

と定義されていることに留意する必要がある。

そう定義すれば、REACH/CLPの文脈でsubstanceは純物質に限らないし純物質の(一般的文脈での)混合物は(REACH/CLPの文脈での)混合物では必ずしもないということになる。

そもそもCLP規則の「混合物」の定義文にはこの異なる文脈での「混合物」が使われている。
 最初の”mixture”はCLP/REACHのmixtureであることは疑う余地がないが、後者の”a mixture”は一般的なmixtureといえる。後者を関係代名詞節により、REACH/CLPの「物質」を使って限定しているわけだ。この mixtureに付いているaは、定義の異なるmixtureがあることを示している。

このように考えると、REACH/CLPの「混合物」は人為的に混ぜたものと理解して大筋問題はなさそうだ。そう理解して違いが出るのは、物質の安定剤を人為的に混ぜたケースである。

米国の化学教育ではMixtureをどのように教えているだろう。ある米国の高校化学参考書では、Matter(物)はpure substanceとmixtureの二つに分けられるように教えている:

In this section, I discuss how all matter can be classified as either a pure substance or a mixture (see Figure 3-2)

(Chemistry For Dummies ®, 2nd Edition)

これは日本の高校化学での教育と変わらない。

二種類以上の違った物資がまじりあう現象が混合であり、混合の結果生じたものが混合物である.… 一種類の分子だけが集まってできている物質を純粋な物質という.自然界にある物質は混合物であることが多く、純粋な物質がそのまま存在することは少ない.(東京書籍 1972 新訂化学B)

結局、REACH/CLPのMixture、そしておそらくTSCAのそれの理解には「文脈」の理解が重要ということだ。

SDS 2017/06/01までの経過措置 混合物 分類 包装 表示(SDS) 猶予

2015年5月5日

CLPに基づく混合物分類に関する2017/06/01までの、上市及び表示済み混合物の為の経過措置はSDSにも適用される.

“A similar transitional arrangement is provided for mixtures. If mixtures have already been placed on the market before 1 June 2015 and classified, labelled and packaged according to DPD they do not need to be re-labelled or re-packaged according to CLP until 1 June 2017 and therefore their SDS do not need to be aligned with the CLP classification until 1 June 2017.”

同じような経過措置が混合物に対して採られる.もし混合物が2015年6月1日より前に上市されて、DPDに従って分類、ラベル表示、包装がなされている場合には、2017年6月1日まではCLPに従って再度ラベル表示又は再包装をする必要はない.したがって、そのSDSも2017年6月1日まではCLP分類に沿ったものである必要はない.

出典

解説

  • 同じような経過措置:上市済みかつ表示済み 物質用SDSについての2012/12/1までの経過措置.
  • DPD: Dangerous Preparation Directive 危険な調剤指令 Directive 1999/45/EC  ( ⇒ 統合版)
  • Mixture 混合物: 混合物(mixture)は、以前、調剤(preparation)と呼んでいたもの:

(14) The term ‘mixture’ as defined in this Regulation should have the same meaning as the term ‘preparation’ previously used in Community legislation. (CLP規則前文)

GHSによる術語の調和によりEUが米国の用法に合わせたものと思われる.このような術語の調和がGHSはほかの語でも見られる: dangerous → hazardous,  object → article

mixtureは、二つ以上の物質よりなる混合物または溶液と定義されているが(CLP規則第2章8)、その際物質(substance)の定義を合わせて理解しておくことが重要.

物質とは、天然に存在する、または、製造工程から得られる化学元素または化合物を意味し、その安定性を維持するために添加された物、及び、使用された製造工程に由来する不純物を含むものである.ただし、物質の安定性とその組成に影響を与えることなく分離できる溶媒を除いたもの(CLP規則第2章7).

このように混合物は単に複数の成分(constitutes)からなるものという意味ではないことに注意が必要.複数の成分からなっていても、天然に複数の成分からなるもの、あるいは、製造の結果として複数の成分となっているものは、mixture(混合物)とは呼ばず、たとえば、multiconstituent substance (多成分物質)と呼ぶ(ECHA(2012) Substance identity – Multiconstituent substances).

天然物からの抽出もまた、「物質」のmanufacturing (製造)である(CLP規則第2章14). しかし、「物質」の混合は製造とは呼ばず調合(調製,配合)(formulation)と呼ぶ.formulation やprocessingは、”use”の一形態である(CLP規則第2章25)―したがって、manufacturing processもまたuseの一形態である.

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