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ChemSaferブログへようこそ

2011年12月31日

このブログは、化学品の安全を守るために必要な情報、特に、欧州のREACH/CLPの情報を提供することを目的としています。

免責: このChemSaferブログサイトでは、細心の注意のもと、可能な限り的確な情報をタイミングよく提供することを心がけていますが、必ずしも常に最新かつ完全に正確な情報であるとは限りません。読者が記事に基づいて実施される行動については、すべて自己責任のもと行ってください。また、各記事は、予告なしに修正・削除する場合があります。すべての問題やトラブルについて、このブログの著者は、責任を負いかねますので、予めご了承くださいますよう宜しくお願い申し上げます。

REACH/CLP Article,Design

2019年11月6日

物品、混合物は物質でない

EU域内での製造される物質(Substance)、又は、EU域内に輸入される物質は、REACH規則に基づいいて、製造業者、輸入業者ごとに登録が多くの場合求められる。

しかし、REACH上は、Article(物品。しばしば、成形品とも訳されている)はMixture(混合物)とともに、Substance(物質)でないので、登録の対象とならない。登録対象が何かの理解には、この「物質」、及び、「物品」の意味をREACH/CLPフレームワークとして理解する必要がある。

Article定義

Article は、REACH規則上ではその定義条項において、Substance, Mixtureに引き続いて、第3項で次のように定義されている。

article: means an object which during production is given a special shape, surface or design which determines its function to a greater degree than does its chemical composition;

第3条(3) REACH 規則 [REGULATION (EC) No 1907/2006 OF THE EUROPEAN PARLIAMENT AND OF THE COUNCIL of 18 December 2006 concerning the Registration, Evaluation, Authorisation and Restriction of Chemicals (REACH), establishing a European Chemicals Agency, amending Directive 1999/45/EC and repealing Council Regulation (EEC) No 793/93 and Commission Regulation (EC) No 1488/94 as well as Council Directive 76/769/EEC and Commission Directives 91/155/EEC, 93/67/EEC, 93/105/EC and 2000/21/EC]

デザイン(意匠)と物品

つまり、Articleとは製造段階で、特別な形、表面、又は、デザイン(意匠)を与えられるもので、その形、表面、意匠が化学組成よりも機能をより決めるものである。

このDesignとは、日本語では「意匠」である。意匠(Design)は、欧米でも日本でも、知的財産保護の対象であり、日本では意匠法(Design Act)で、米国では、Design Patent Law (米国意匠法)で護られている。これらの国際的協調が進みつつある意匠の知的財産保護のフレームワークにおいて、物品(Article)の概念が重要な役割を果たしている。

米国意匠法: Design Patent Law and Legal Definition

日本の意匠法に対応する米国の意匠法 Design Patent Lawでは、日本の意匠法における物品に対応する語はArticleであることが次の記述から分かる。

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REACHの’Use’

2019年11月1日

REACHにおけるUseについてあらためて考える。REACH規則はUseを次のように定義している。

Article 3 Definitions
For the purposes of this Regualations:

24. use: means any processing, formulation, consumption, storage, keeping, treatment, filling into containers, transfer from one container to another, mixing, production of an article or any other utilisation;

 

REACHに出会う前、Use [名詞]は、「用途」と理解していた。旧法DSD/DPD frameworkではUseを用途と訳して何の違和感もなかった。しかし、REACHのUseの定義(上記)を始めて見たとき、この定義はちょっと奇妙だと感じた。REACHのUseの定義文の中に含まれる、貯蔵・保存(storage, keeping)、移し替え(transfer from one container to another)を用途とはどう考えても言えないからだ。もしそうだとしたら、ガソリンの用途として、ガソリンスタンドで貯蔵することやガソリンスタンドで車にガソリンを入れることも含まれるということになってしまう。ひょっとして英語Useは日本語「用途」とニュアンスに差があるのかとも思っていたが、そうでもなさそうだ。通常のUseのニュアンスとこの定義は違っていると欧州の人も感じていたんだと次のCEPEの文書中の文からわかったからだ:

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物質の定義と分類 -REACH/CLPの場合 2a

2019年10月2日

物質の定義と分類―REACH/CLPの場合 1」では、REACH/CLPフレームワークでの物質の定義を見た。ここでは、同フレームワークでの混合物の定義を見てみる。

混合物の定義

混合物の定義はすっきりしたものだ。 しかし注意すべき点がある。 

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物質の定義と分類 -REACH/CLPの場合 1

2019年9月19日

2006年公布のEU REACH規制の物質の定義は 、一部の専門家からは日本の科学教育で習ってきたのと違うと驚きをもって迎え入れられた。REACH規則の分野で著名なある人物の著書(2008年)では、「『物質』と言う言葉は我々が中学生から習っている科学用語であるが、実は日本と海外では概念がかなり異なる」と言ってしまっている。しかし、実は、それは日欧の差ではなく、 化学品規制と一般化学というフレームワークの違いによるところが大きいことは別の記事「REACHにおける塩酸:混合物でない」で論じた。 また、一般化学における物質の概念についても「物質の分類 一般化学」で述べた。REACH/CLPフレームワークにおける混合物の概念については次の記事で述べる予定だ。

REACH規則の物質の定義は、実は、CLPのそれと全くの同文である。そして、その物質の定義は、REACH/CLPフレームワークの前身であるDSD/DPDフレームワークにおける定義と大差なく、そしてまた、GHSにおけるそれとも、そしてJIS SDSのそれともほとんどかわりない。

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物質の分類 一般化学

2019年7月23日

我々日本人が, 身の回りにある物質を分類すると混合物と純物質に分けられると教わるのは現在中学の理科もしくは高校化学の時間であるようだ. では、欧米ではどうか. 何も変わらない.

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CLP SDSという言い方はもう古い

2019年7月19日

未だにEU向けのSDSについてCLP SDSと言う言い方をする人がいる。CLP SDSと言う言い方はもう古い。歴史的な意味しかない。

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REACHでは廃棄物は物質でも混合物でも物品でもない。

2019年6月14日

Article 2

2. Waste as defined in Directive 2006/12/EC of the European Parliament and of the Council is not a substance, mixture or article within the meaning of Article 3 of this Regulation.

REACH Regulation (Regulation (EC) No. 1907/2006)
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EUのGHS実装はCLP+REACH

2019年2月23日

GHSは、化学物質の分類と表示と包装に関する国際的に調和したシステムであるが、そのタイトルには含まれていない重要な要素がある。それが、SDS (安全データシート)である―タイトルの「表示」にはラベル以外にSDSの意味が込められているのだが。

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EU BPRのTreated Articleは「処理された成形品」ではない

2019年2月17日

EU Biocidal Product Regulation (BPR、殺生物剤製品規則) の treated Article の概念は 処理された「成形品」ではない。この訳では誤解を与える。処理物品もしくは処理品と訳すべきだろう。

BPR規則定義

‘treated article’ means any substance, mixture or article which has been treated with, or intentionally incorporates, one or more biocidal products

「処理 Article は、… 物質、混合物、または、Articleである」と言っている。つまり、「成形品」に限らないのだ。 Read more…

REACHにおける塩酸:混合物でない

2019年1月16日

社会科学化学フレームワーク(化学物質規制のフレームワーク, SSChF)、 少なくともREACH/CLPのフレームワーク上は 塩酸は混合物でない。これは、自然科学化学フレームワーク(アカデミック化学フレームワーク, NSChF)、従来高校、大学と習った化学のフレームワークにおける説明と大きく異なる。

ここでは、化学フレームワークが違えば混合物の概念(idea)が違うことを説明するとともに、その重要性を述べる。その事例を通じて一般的にフレームワークを意識することを推奨したい。

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