ECHA: 追加情報提出義務があるのに未対応の中間体登録者へ

http://www.echa.europa.eu/view-article/-/journal_content/title/unresponsive-registrants-of-intermediates-obliged-to-give-more-information

ECHAは次のような注意情報を出した。

追加情報提出義務があるのに未対応の中間体登録者へ

 

ECHA/NA/14/06

ECHAは法的拘束力のあるレターを登録書類(dossier)にある不具合を訂正するようにとの要求に応じていない中間体物質登録者に送り始めている。 このレターを受け取った企業は一か月以内に登録内容を更新しなければ、ECHAによって加盟国の執行当局に通知され、その処理に委ねられることになる。

ヘルシンキ, 2014年2月14日―ECHAは中間体登録書をIT審査し、現在の状況を解析した後に、いろいろな方法で連絡を取ったが対応のない46の登録者の118の書類を特定した。 これらの登録書はREACH規則違反になる可能性がある。

ECHAはこの応答のない企業に対して規制措置を取り始めようとしている。 その措置により36条*レターを送付することになろう。そのレターではREACHの3及び17, 18条に規定されている中間体定義と厳しい管理条件に対して齟齬が残っている使用取扱いに対するトン数量情報を要求するものである。登録者には自分の書類を1か月以内に修正して完全登録書を提出するか、報告使用取扱いを見直すか、非中間体としてそれぞれのトン数量に応じた情報を提出するかしなければならない。企業が非中間体物質としてトン数量に応じた情報提出した場合には、法令順守検査が始まることになる。ECHAはその提出されたトン数量の情報を使って、非中間体物質の使用取扱いに対して必要な情報を設定することになる。

【解説】 36条は、登録した情報について登録者が情報をその物質の最後の製造若しくは輸入、使用の後少なくとも10年間維持することを要求するものであり、加盟国当局又はECHAの要求に対して速やかに情報提供義務のあることを定めた条項である。

もし情報の更新がレターで設定された期限までに提出されない場合には、ECHAはそれぞれの国の執行当局にそれに続く対応をとるように依頼することになろう。

ECHAがとるこの中間体に対するアクションの結果として、合計2000の書類がすでに更新されている。全体として、化学品使用取扱いの安全性を高め、欧州市場における公平な競争環境を作り上げるのに良い結果といえる。

企業をさらに支援して登録書の質を高めるために、書類品質支援ツール(Dossier Quality Assistant tool)が2月末にもリリースされる。 このバージョンのツールにより、中間体の書類中の使用取扱記述子(use descriptor)情報に関するチェックがうまくできるようになる。 さらに組み込まれた機能により、物質特定情報についてのチェックがやりやすくなるだろう。 この物質特定情報は、ECHAが審査するもう一つの分野である。

中間体登録書に関してこれまで取られたアクションとその結果の要約。 初期審査は約5500書類(ドシエ)について行われている:


書類

代表物質数

(Representing number of substances)

懸念される登録者
の数

中間体定義又は厳密な管理条件を満たさない、もしくは、満たしそうにない使用取扱いが含まれている。 修正を求める非公式レターを送付。

2 388

760

574

最終確認送付
(final reminder)

172

116

62

更新済み書類

1 980

706

450

完全登録に更新されたもの

97

72

58

書類(Dossier)は更新されたが、中間体登録のままのもの

1 883

680

432

さらに踏み込んだ規則上のアクションがいる書類

118

77

46

 

背景

REACHは厳密な管理条件下で製造され使用取扱いされている中間体であれば、中間体の性質について限られた少ない情報で登録することを認めていて、さらに、化学安全報告書の作成を求めていない。中間体と厳密な管理条件を満たさず、その物質のハザードとリスクの情報が登録書類に記載のない物質が中間体とされてしまうと、労働者又は消費者、環境は物質の曝露を受けて悪い影響を被る可能性がある。 このため、ECHAはこのタイプの書類の法令順守の検証に熱心であり、自動評価プロセスと手動評価プロセスを組み合わせて使用している。

ECHA IUCLID報告書作成アプリの新バージョンをリリース

2014年1月31日 ECHAはIUCLID報告書作成アプリ(IUCLID Report Generator)の新バージョンをリリースした。

http://iuclid.eu/index.php?fuseaction=home.news&type=public&id=68

新らしくリリースしたIUCLID Report Generator (IUCLID報告書作成アプリ)によって、化学安全アセスメントと報告書作成ツールであるChesarによって生成される曝露アセスメント情報を対応するIUCLIDセクションに取り込むことができる。

この更新版によって、IUCLIDユーザは、Chesarを使用して曝露アセスメントデータを生成すれば、その情報をIUCLID(セクション3.7.1と3.7.2)に出力できる。これを使えば、 IUCLIDとChesarの二つのツールの間でデータを同期させて化学安全報告書全体を生成するのに必要な、様々な手順を踏みやすくなる。

更新された機能についてはリリースノートに記載されている。 本アプリ導入用の説明書(Installation manuals)は導入用パッケージに含まれており、そのパッケージはIUCLIDウェブサイトからダウンロードできる。

この IUCLID報告作成アプリは、REACHにおける化学安全報告書(CSR)の作成を支援し、従来のCSRプラグインに置き換わるものとなる。また、バイオサイド製品認可申請書用の製品特性要約(summary of product characeristics SPC)を申請者が作成するのにも役に立つ。

バイオサイド製品規則のための準備も整ったIUCLID

ECHAは2013/4/2付で新しいIUCLID5.5のリリースのニュースECHA/NA/13/14を発表しました.

仮訳

バイオサイド製品規則のための準備も整ったIUCLID

ECHA/NA/13/14

IUCLID5の新版が発表された. 2013年9月1日に運用が開始される新しいバイオサイド製品規則の準備に取りかかっている申請者は自分のデータをIUCLID書式へ構成に変換する作業を今から始めることができる.

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ECHA IUCLID CSR-plugin 新版リリース 登録書にChesar掃き出しファイルをインポート可能に

2013年2月11日 欧州化学物質庁(ECHA)は、工業化学品の規制であるREACH用のITツールであるIUCLID 5.4のCSRプラグインの新版をリリースし、登録書にChesarによって作成した化学安全アセスメントの結果をインポートすること、Chesarの記述とIUCLID 5.4の記述の整合性をチェックを可能にした。

同時に、ECHAへの提出書類の品質を事前チェックするためのプラグインツール, TCCプラグインをリリースした。

関係情報:

ECHA News alert ECHA/NA/13/02 IUCLID CSRプラグイン
http://echa.europa.eu/view-article/-/journal_content/title/create-the-full-chemical-safety-report-with-the-new-iuclid-csr-plug-in

ECHA News alert ECHA/NA/13/04 IUCLID TCCプラグイン
http://echa.europa.eu/view-article/-/journal_content/title/new-tool-to-support-registrants-in-improving-dossier-quality-now-available

IUCLID Site News CSR-プラグイン / TCC-プラグイン
http://iuclid.eu/index.php?fuseaction=home.news&type=public&id=62

バイオサイド概要

バイオサイド規則(BPR)の理解

バイオサイド製品規則(BPR, 規則(EU) 528/2012)は、人、動物、財産、あるいは、物品を有害な生物から守るために使用されるバイオサイド製品の上市(place on the market–販売)と使用に関する規則です。バイオサイド製品はそれに含まれる活性成分の作用によって害虫や細菌などの有害な生物から人などを守ります。この規則の目的はEUにあるバイオサイド製品市場の機能を発展させつつ、高度なレベルで人と環境を確実に守ることにあります。

2012年5月22日に採択された新しい規則が、一定期間の経過措置の後、2013年9月1日から適用されることなっています。旧来のバイオサイド指令(指令 98/8/EC)は将来廃止されます。

上市されるバイオサイド製品はすべて認可(authorisation)が必要となり、バイオサイド製品に含まれる活性物質(active substance)は事前に承認(approve)されていなければなりません。BPRの意図するところは、EU連合レベルでの市場を調和し、認可と活性物質の承認を簡単にし、加盟国による評価(evaluation)、意見表明(opinion-forming)、合意形成(decision-making)のための機会を設けることにあります。また、強制的にデータを共有し、代替試験方法を使うことを推奨することによって動物試験をさらに削減させることも意図しています。

前の指令でそうであったように、活性物質の承認を連合レベルで行い、そのあとバイオサイド製品の認可を加盟国レベルで行えます。認可は相互承認(mutual recognition)によって加盟国以外にも拡張される場合があります。しかしながら、新しい規則では申請者(applicant)が連合レベルでの認可のタイプを選ぶこともできるようになりました(連合認可 Union Authorisation)。

専用のITプラットフォームであるバイオサイド製品登録システム(R4BP)が、申請書の提出、申請者とECHAと加盟国の所轄官庁と欧州委員会の間でのデータと情報の交換のために使用されます。そのシステムでは、決定内容が記録されることになります。また、一般の人々に情報を広く提供するために役に立つことでしょう。

ECHAバイオサイドウェブサイトから

【参照】

ECHA 7月18日 IUCLID5.4 CSR plug-in リリース

2012年7月18日 ECHAは、IUCLID 5.4 CSR plug-inをリリースしました。

http://iuclid.eu/index.php?fuseaction=home.news&type=public&id=59

IUCLID 5.4 CSR plug-in は、REACH規則が求める化学安全報告書(Chemical Safety Report, CSR)の準備・作成を支援するツールです。 このプラグインから、要件に適合するセクションやサブセクションを持ったCSRドラフトがリッチテキストフォーマットで出力されます。

CSRドラフトにはIUCLID中に入力されたデータ(数値および文書等)が定められたフォーマットの定められたセクション・サブセクションに自動的にこのプラグインによって入力されます。このCSRドラフトを必要に応じてワープロソフト(MS Wordなど)を用いて追加で編集して、最終CSRとし、dossierとともに提出することになります。

【注意】 最新CSRテンプレートはここからしか得ることができない。 

IUCLID5のサイトでないECHAの次のサイト:

ECHA  > Support > Guidance on REACH and CLP implementation >  Formats

から得られるCSRテンプレートは、このCSRプラグインによって出力されるものとは一致しません。 このFormatのページに書かれているように、このサイトにアップされているCSRテンプレートの一部は陳腐化しています。

最新のCSRのフォーマットに関する最新かつ正確な情報は、このプラグインを実際に動かすか、プラグインをダウンロードしてきた時に一生にダウンロードされてくるマニュアル、IUCLID 5 Guidance and Support / CSR Tool Plug-in for IUCLID 5.4 User Manual 内にある、Part II: Specifications of the CSR templateを見るしかありません。

欧州バイオサイド規則(BPR)を施行

2012年7月17日 欧州議会と欧州連合理事会により、バイオサイド規則(BRP, Regulation (EU) 528/2012)が採択され施行されました。

運用は2013年9月1日より開始されます。 それまでは従来のバイオサイド指令(Directive 98/8/EC)が効力を引き続き持ちます。 2013年9月1日にはバイオサイド指令は新規則の運用開始とともに廃止されます。

REACHで使われているIUCLIDがやはり、technical dossier(技術書類一式)作成のために使用が義務付けられています。

旧指令の多くを踏襲しており、以下の特徴等があります:

  • BPR規則は工業化学品の規則であるREACH同様、ECHA(欧州化学物質庁)が所管します。
  •  Unionレベルでの認可が付け加わりました。 また、
  • バイオサイド製品で処理などされた物品(article)、 たとえば、殺虫剤などで処理された家具、にも規制の対象が拡張され、本規則で認められていないバイオサイド活性成分が使われている物品を上市することは、第3国からの輸入を含めてできません。(REACHの物品に比べて、規制の対象となる活動・行為差がみられます。)

関連サイト

ECHA BIOCIDE  http://echa.europa.eu/regulations/biocidal-products-regulation

欧州委員会 BIOCIDE  http://ec.europa.eu/environment/biocides/index.htm

JRC BIOCIDE  http://ihcp.jrc.ec.europa.eu/our_activities/public-health/risk_assessment_of_Biocides

参照

BIOCIDEページ

バイオサイド製品規則のための準備も整ったIUCLID

EU バイオサイド規則運用開始

Chesar 2はもはやIUCLID Plug-inでない。

Chesar 2のシステム上の最大の変更点は、IUCLID Plug-inでなくWeb applicationだということだ。

Chesar 1 では、IUCLID Plug-inであった。このことは、Chesarを動かすためには、IUCLIDを起動する必要があったということだ。 このため、大きなメモリを必要としていたし、トラブルも多かった。

Chesar 2では、Web applicationとなった。このことは、Chesarを動かすために、IUCLID起動は不要で、使用メモリも小さくなる可能性があり、また、トラブルも小さくなる可能性を示している。

IUCLIDから物性情報、ハザード情報を持ってくることには変更はないが、もともと、IUCLID本体とChesarの間の関係は蜜ではなかったのであるからこれが正しい選択だろう。 ファイル経由でIUCLIDとChesar 2の間で情報を交換すれば十分なわけだ。

Webアプリケーションであるとはいえ、インターネットに接続して使うわけではない。 手元にブラウザさえあれば使える、スタンドアローンとして使えるということだ。