Cheasr 2 のマニュアル翻訳を改訂しました.すでにご購入の方は,無料でアップデートできます.
今回の翻訳の改訂により,欧州化学物質庁がリリースしているChesar 2 User Manualsの最新版(2013/07/15現在)に完全に対応したものとなりました.
Chesar すなわち,Chemical Safety Assessment and Reporting tool (化学物質安全アセスメント及び報告ツール)は,欧州化学物質庁(ECHA)が公式にリリースしている,欧州の化学物質管理に係わる規則 REACH が化学物質の製造者と使用取扱者に要求している化学物質の安全アセスメントの実施とその報告書の作成を支援するツールです.
REACHの略称はその規則の次の名称に由来します:
REGULATION (EC) No 1907/2006 OF THE EUROPEAN PARLIAMENT AND OF THE
COUNCIL of 18 December 2006 concerning the Registration, Evaluation, Authorisation and Restriction of Chemicals (REACH), establishing a European Chemicals Agency, amending Directive 1999/45/EC and repealing Council Regulation (EEC) No 793/93 and Commission Regulation (EC) No 1488/94 as well as Council Directive 76/769/EEC and Commission Directives 91/155/EEC, 93/67/EEC, 93/105/EC and 2000/21/EC (Text with EEA relevance) (その原文は,EUの法の公式ウェブサイトであるEU-Lexから得られます.)
この規則のタイトルは次のことを表しています:
- REACHの語は化学物質の登録(Registration),評価(Evaluation),認可(Authorisation),制限(Restriction)の略語.
- 欧州共同体(EU)の専門機関の一つであるEuropean Chemicals Agency (ECHA, 欧州化学物質庁)がその担当機関.
- 指令1999/45/EC (いわゆるDPD 危険調剤指令)を修正し,SDS指令(91/155/EEC指令とその修正指令2000/21/EC)等を廃止する(置き換わる)物であることを示しています.
- この規則が欧州経済領域(EEA)に適用されるということ.つまり,EU加盟国以外に,アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェーの3ヵ国にも適用される,
REACH規則の要件(整合性要件を含む)に則った,CSA/CSRとSDS曝露シナリオ(ES)の実施と作成を支援するChesar
REACH規則は,物質の登録時に物質毎にEEAに上市する物質の年間量に応じて決められた情報を決められた書式でECHAに提出することを求めています.その中には,決められた方法での化学安全アセスメントの実施に基づいて,それを記録した報告書(CSR)が含まれています.このCSRの作成の主要な部分を支援することがChesarの主要な役割の一つとなっています.
また,REACH規則はサプライチェーン(供給網)上の物質や混合物の使用取扱者への伝達が義務付けらているSDS(安全データシート)の要件も大きく改めており,特に,一定の要件の物質については,その物質の安全な使用取扱条件を記載した曝露シナリオを添付することを求めています.このSDSに添付すべき曝露シナリオの作成を支援することもChesarの主要な役割の一つとなっています.
ECHAに提出すべきCSRと,供給網中で伝達すべきESは,整合性がとれたものであることを規則は求めており,登録書作成の必須ツールであるIUCLIDとともにChesarを使用することによってこの要求を満たすことができます.ChesarはIUCLIDと違って化学安全アセスメントの実施とCSRやESの作成において使用が義務付けられたツールではありませんが,この整合性の要件を満たすためにはChesarを使用する方が効率的なものとなるでしょう.
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