2011年1月25日 ECHA/EU-OSHA, ETUC/IndustriALL Europ REACH曝露シナリオキャンペーン

2011年1月25日付 EU化学物質庁のニュースによれば、

EU化学物質庁(ECHA)、欧州労働安全衛生庁(EU-OSHA)は、欧州労働組合連合(ETUC)とIndustriALL欧州労働組合(IndustriALL Europe)の労働者のためのREACH情報キャンペーンに協力しています。

そのキャンペーンの目的は、REACH曝露シナリオの理解を図り、危険有害な物質(hazardous substances)を間違いなく安全に使用し、企業が取扱るためのステップを取ることを促すものです。この義務は、いわゆる化学会社だけに課せられた義務でなく、危険有害な物質を使用取扱を行う企業一般が対象であるということの理解が重要です。 

REACHは、多くの物質の供給者に安全な使用取扱条件を記載した曝露シナリオを安全データシート(いわゆる(M)SDS)に添付することを義務付けており、この曝露シナリオ添付安全データシート(拡張安全データシート eSDS)は、REACH新機軸の主要なポイントであり、労働者の化学物質の安全を守るための核となるものです。

まだまだREACHの義務に対する企業の認識の普及が進んでいないため、このキャンペーンが展開されているようです。

この四者は連名で2ページのリーフレットを発行しREACHについて準拠すべき企業の義務を簡潔に説明しています。概要を記載します: 

企業は次のチェックをまずしなければなりません:

  1. 物質の自社の使用取扱がeSDSに記載されている使用取扱に含まれているか。
  2. もしそうであるなら、自社の使用取扱条件が曝露シナリオの使用取扱条件に適合しているか。

1. 2のいずれかが否であれば、次のいずれかの行動を企業はとらなければなりません。

  1. 供給者に言って、自分の使用取扱条件をeSDSに加えてもらう。
  2. 自社における使用取扱条件をeSDS記載の使用取扱条件に合わせる。
  3. 自分の使用取扱条件に適合する別の供給業者を探す。
  4. REACHが要求する化学安全アセスメントを自分で実施する。供給者が提供するeSDSに記載の使用取扱条件(=曝露シナリオ)は化学安全アセスメントの結果として作成されたものでなければならない決まりになっています。

ECHAはREACHが第一義的には化学物質の製造と輸入業者に要求される化学安全アセスメントとその結果としてのSDS用曝露シナリオを作成をREACHに準拠して楽に作成できるようにChesarと呼ばれるツールを開発し無償で企業に提供しています(このツールはREACH登録の書類作成にも役に立ちます。eSDS用曝露シナリオのの生成そのものをこのツールで行えるようになるのは2013年はじめと計画されています。)。

バイオサイド概要

バイオサイド規則(BPR)の理解

バイオサイド製品規則(BPR, 規則(EU) 528/2012)は、人、動物、財産、あるいは、物品を有害な生物から守るために使用されるバイオサイド製品の上市(place on the market–販売)と使用に関する規則です。バイオサイド製品はそれに含まれる活性成分の作用によって害虫や細菌などの有害な生物から人などを守ります。この規則の目的はEUにあるバイオサイド製品市場の機能を発展させつつ、高度なレベルで人と環境を確実に守ることにあります。

2012年5月22日に採択された新しい規則が、一定期間の経過措置の後、2013年9月1日から適用されることなっています。旧来のバイオサイド指令(指令 98/8/EC)は将来廃止されます。

上市されるバイオサイド製品はすべて認可(authorisation)が必要となり、バイオサイド製品に含まれる活性物質(active substance)は事前に承認(approve)されていなければなりません。BPRの意図するところは、EU連合レベルでの市場を調和し、認可と活性物質の承認を簡単にし、加盟国による評価(evaluation)、意見表明(opinion-forming)、合意形成(decision-making)のための機会を設けることにあります。また、強制的にデータを共有し、代替試験方法を使うことを推奨することによって動物試験をさらに削減させることも意図しています。

前の指令でそうであったように、活性物質の承認を連合レベルで行い、そのあとバイオサイド製品の認可を加盟国レベルで行えます。認可は相互承認(mutual recognition)によって加盟国以外にも拡張される場合があります。しかしながら、新しい規則では申請者(applicant)が連合レベルでの認可のタイプを選ぶこともできるようになりました(連合認可 Union Authorisation)。

専用のITプラットフォームであるバイオサイド製品登録システム(R4BP)が、申請書の提出、申請者とECHAと加盟国の所轄官庁と欧州委員会の間でのデータと情報の交換のために使用されます。そのシステムでは、決定内容が記録されることになります。また、一般の人々に情報を広く提供するために役に立つことでしょう。

ECHAバイオサイドウェブサイトから

【参照】

ECHA Chesar ライブラリ提供ページ開設

2013年1月10日 欧州化学物質庁(ECHA)は、企業が楽に化学安全アセスメントを実施し、化学安全報告書を作成するために自身が公開しているツール(Chesar 2.1)用のライブラリ提供ページを開設しました:  http://chesar.echa.europa.eu/web/chesar/support/library

このページではSPERCライブラリが提供される予定となっており、格段に化学安全アセスメントが実施しやすくなることが期待されます。

また、近い将来のChesarのバージョンアップによって可能となる安全データシート(SDS)に添付すべき曝露シナリオの自動生成に欠かせない標準語句(standard phrase)のライブラリも、このページで公開されることが期待されます。